CHART-DATE : (2000/06)
作品
火星行大作戦
… ミッション・トゥ・マーズ

(監督:ブラいや〜ん・デ・パルマ)


お話

 既知との遭遇。


お話

 駄作。観ていて全然心浮き立つものがない。
 SF映画の本質とはなにかと考えると、それはまさに“センス・オブ・ワンダー”という言葉に集約することができる。いままで見たことのないビジュアル。思いもしなかったアイディア。そういう新たな世界を見せてくれることこそがSF映画の役割であり楽しみであるとオレは思う。

 で、この映画。そういったものがなにひとつない。どこかで見聞きしたことのある話にどこかでみたことのある映像。新鮮味もなにもあったものではない。異星の先史文明や地球の種の起源なんて何十年も前のネタって感じだし、宇宙船内の風景もだからどうとしか思えない。確かにSFXの進歩により、かつては驚異の映像だったものも今ではそこそこ簡単に表現できてしまう。だからこそ逆に、いかに新しいものを作り出すかというSFゴコロ(心意気といってもいい)が重要なのだ。あの程度では当然で嬉しくもない(観る側の問題かもしれないけれどね)。

 惜しいところもあるのだ。
 例えば『アルカイックスマイルの遺跡』はいいセンスだと思う。が、それを全然活かしていない。これはいったいなんなのか。誰が何のために作ったのかという謎を大上段から問いかけるなら、あるいは傑作になったのかもしれない。それがあんな普通なパクリすれすれのオチじゃ悲しすぎる。
 あるいは遭難者を救うために命を賭けるハードサイエンスフルなレスキュー野郎の物語であってもよい。それをつきつめれば感動を生み出すに十分足りる話になっただろう。
 結局、それを語る者の心に宿るSF魂というものがないということなのだろうか。まあ、監督だけの責任ではない。そもそも脚本が単調で、話としててんで盛り上がらないってのもある。

 やっぱりデパルマはダメ。わかってないね。


お話
  1.  宇宙でもやっぱりDrペッパー。わかってるね。いいよね、美味いよね、Drペッパー!
  2.  しかし、あのプロジェクトもレスキュー班もリスクマネージメントが全然できてないな。バックアップ体制をとる必要性をわかってない。
  3.  火星に降り立って臆面もなく米国旗を掲げてしまう安直なナショナリズムが鼻についた。

お話
☆☆☆☆

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