CHART-DATE : (2002/05)
作品
蜘蛛男
… スパイダーマン

(監督:サム・ライミ)


お話

「マシュウ、私なんか不思議な力を使えるようになっちゃったの。どうしてかしら」
「ほうしゃのう・・・・」


お話

 あまりにもスタンダード、王道。悪くいえばステレオタイプの物語。
 それをカバーしているのは、的確で緩急のついたサム・ライミの演出、そしてナイーブな役を演じたら天下一品のトビー・マクガイアの演技に追うところが大きい。ともあれ、監督がここ最近のケレンに突っ走ることなく、人間をしっかりと描く作品を成功させているからこそ、今回のこの完成度につながっているのではないかと思う。

 作品のストーリーは、本当に古くさいまでにスタンダードで、これは原作の古さのせいえはあるのだが、それを今の時代にアップトゥデートせず、あえて、原作そのままにヒーロー誕生譚とする。それはけして失策ではない、むしろ正しい判断だったなと思う。へんに現代っぽい解釈を加筆修正することで、逆にチープで浮ついた印象になってしまうことが多いからだ。もっと具体的な例として云うと、スーパーパワーを得ることとなる理由についてリアリティを持たせるというのは非常に難しく、現在の科学的知識を納得させるだけのアイディアなどはそうそう転がっちゃいないのである。ならば、お約束としての共通認識やファンタジー的解釈への変換というエクスキューズを作ることができる数十年前の(あえて云うが)陳腐なアイディアを、元々のままで云いきってしまったほうが、逆に説得力があるはずなのだ。

 悩める超人というマーベル的なヒーローをストレートに描いてみせる余裕がすごいなぁと思うのであった。


お話
  1.  それにしても、マーベルってキャラデザインがどうしてこうもダサいんでしょう。特に敵役。あそこまで魅力がないってのは逆にすごいよね。
  2.  それにしても、サム・ライミって女優のセレクションが得意じゃないよね。今回のヒロインもなんかさえないってゆーか。少なくともオレ的には魅力ゼロ。悪口じゃなくて事実としてそうでしょ?(やっぱ悪口かなぁ)

お話
★★★ ☆☆

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