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八重山へ今度こそマブイを拾いに?  …5

 離島トランスポート   


 2日目、いよいよ本格的な“夏休み”を始めるのだ。
 朝食に八重山そばをそそくさとかっこみ、荷造りをし、船のチケットを買う。時間に追われながらバタバタと離島船に乗り込む。
 石垣から西表へ渡るのだ。そう、今年の夏休み前半は西表でネイチャーライクな日々を過ごすのだ。

 船は竹富に渡る船よりは少し大きいのだが、船の後部にはむき出しのデッキがありがあり、一晩ぐっすり寝て体調も回復、朝から調子に乗っている我々は当然そちらに座る。
 西表に向かう客は予想外以上に多く、船は満席である。それどころか一度に2隻の船が出る。日帰りの観光ツアー客が乗っているのだ。案の定、西表の港に着くと大きな観光バスが数台待っており、そこで乗客をピックアップしているのだった。
 そんな日帰り客の慌ただしさは求めちゃいないのよ。こっちは1泊して、遊び倒してやろうという算段だもんね。と、心密かに思うオレ。しかしそんな思いとは裏腹な西表となるのだが、それはまた後ほどの話。

 話は戻るが、石垣から西表まではおよそ五十分の時間がかかる。なわけで、船旅気分も十二分。遠い空、水平線、遠くに白い入道雲、波を蹴立てて走る船、とくればまさに冒険心に火も灯ろうというもの。
 オレの頭の中にはいつのまにか歌が流れていた。トリトンである。気づいたときは頭の中でぐるんぐるんリピートして、こびりついて離れない。だって気分だもんなぁ。
 西表に到着して、どうだったと訪ねると長丼は、
「オレはもちろんひょっこりひょうたん島だったぜ」といった。そうか、確かにそれもありだな。と思うのであった。

 そうこうしているうちに我々に声をかけてくる男性がいた。今日のメーンイベント、カヌーツアーのお迎えであった。


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