G式過剰



第10ステージ
の季節』

 私の職場にはさまざまな人が自由に出入りできるせいか、ときに“いいもん”を見ることができる。

 所用でトイレの前を通り過ぎるときのことである。そのトイレは廊下に直接ついていて、扉の向こうが即、便器という形式だった。その扉が全開していたので何気なく中を覗く。と、そこにはジーパンを足首までおろして用を足している男がいた。もちろんケツ丸見えである。というより丸見せだ(なにしろ自分からドアを閉めてないのだから不可抗力とはいわせないぞ)。
 突然の出来事にオレの心は、なんかいいもんを見せてもらったのか、嫌なもんを見せられたのか、どっちが正解なのか自分でも判断がつかないまま、トホホな気分で所用をすませ(数分ですむ)再びトイレの前を通る。と、オッサン、今度はドア側を向いてちょうどジーパンをあげる最中。幸か不幸か男のイチモツはすでに隠れていたが、ヘアはモロ出し。ギャランドゥが目に焼きついた次第である。

 いやはや。冷静になってみれば、いい経験をしたとそう思えるオレ。
 普段なかなか見ることのできない光景に出会えた。それだけで、なんか儲けた気がする。たとえそれがどっかのオヤジの美しくもない尻でも、だ。

 しかしなんだね。こういった労せずして手に入れることのできるハプニングにあふれた人生ならばどんなに楽しいことでしょう。

99年07月25日

G式過剰