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フォアローゼス
酒と薔薇の日々
なんちゃって

 私の彼。
 顔もよければ性格もいい。おまけに大金持ちの次男坊。もうなにひとつ悪いとこなんかないの。
 ただひとつ、すごいお酒好きなのを除いては。

 でも、別に酒癖が悪いとかそんなんじゃないの。笑い上戸の楽しいお酒飲みよ。ただ、ほんとにお酒が好きなのね。なんでもすぐにお酒に結び付けちゃうのよ。だからプレゼントもみんなお酒で、生まれた年のシャトーなんとかだとか、ウン十年寝かせたモルトウィスキーだとか、うれしいんだけれど、いつもそんなじゃちょっとね。
 それに、私、そんなにお酒強くないのよ。飲みきれないって。

 だから今年の誕生日にはいったの。
「部屋にいっぱいのバラの花がほしい」って。
 そしたら彼、わかったってにっこり笑ってくれた。

 誕生日がきた。私は彼に招かれて部屋に入ったの。目隠しをとって床をみまわした。部屋中に並んでいたのはお酒のボトル。
「ほら、君の欲しかったものだよ」
 部屋にあったのは、フォアローゼスのボトルだったわけ。

 私は、ひとつため息をつくと、もう一度チャンスをあげることにしたわ。「ねえ、来月のクリスマスにはね…」
 そしたらにっこりと笑うと、彼、みなまで言うなと手で制して言うことには、
「わかった。七面鳥だね」

That's All Folks


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